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「法務の課題をリアルに語れる」ことが、ユーザーとプロダクトに価値をもたらす

今回は2020年1月にHubbleに入社し、カスタマーサクセス(以下CS)チームを立ち上げ、現在はCCO兼マネージャー兼自社メディア(Legal Ops Lab)の編集長として活躍する山下のインタビュー記事です!

元法務・元Hubbleユーザーの山下が、なぜHubbleに入社したのか。なぜ法務ではなくビジネス部門なのか。ぜひご覧ください!

執行役員CCO / CSチームマネージャー / LegalOpsLab編集長
2020年1月入社
山下俊
@one_onlegal

法務の業務はこんなにも改善できる――「気づき」から「広める」挑戦へ

――現在Hubbleでどんな業務を担当されているのか含めて、自己紹介をお願いします。

前職は国内メーカー企業の法務でした。2020年1月からHubbleに参画しC
Sを担当したのち、今年2023年6月から執行役員CCOに就任しました。現在のCSは自分を含めて5人の体制になっています。

チームの管掌範囲は、オンボーディング(導入支援)やリニューアル(更新)、アップセル(増額)といったいわゆる「カスタマーサクセス」の業務が中心ですが、広く「お客さまに関すること」には関わっています。例えばカスタマーサポートやお客さま向けのコンテンツの作成などですね。

私自身で言うと、数年前は、自身の担当のお客さまも100社以上いらっしゃいましたが、チームの増員に伴い、メンバーに担当を引き継いでいます。このため、私の今の業務は、チームの方針を決めることやメンバーのサポートに回ることが殆どになっています。少し寂しい気持ちもありますが、お客さまとの最初のお打ち合わせや更新時のお打ち合わせには、ほぼ全て同席し、お客さまのリアルなお声は引き続きしっかりと伺うようにしています。

――Hubbleに入社したきっかけについて教えてください。

実は、私自身が前職のときに最初期のHubbleユーザーだったんです。Hubbleは個人的に使いやすくて本当にいいプロダクトだなと思っていました。色味も全て好きでした。2019年ごろ、次のキャリアステップを検討している際に、CEO早川とCLO酒井と、Twitterやイベントで交流する機会を持って、たまに話すようになりました。

前職(法務)に不満があったわけではなく、次の成長のために法務もそれ以外も、さまざまな領域を転職先として検討していたんですが、あえて転職するなら、新しいチャレンジをしてみようと考えました。

そういった当時の自分にとって、2019~20年頃は、「リーガルテックがいよいよくるぞ」というタイミングだったので、「未開の地」でチャレンジする経験は得難いだろうと思い、入社することになりました。

――法務経験者でしかも元ユーザーとなると、Hubbleへの入社には特別な思いがあったのではと思います。

私自身、法務として就職した時のITリテラシーはたいしたものじゃありませんでした。やっぱり「Wordとメール」が当たり前だったんです。でも、同じ管理部門でも経理財務や人事などを見ていると、システムの導入が徐々に進んでいて、法務にももっとスマートなやり方があるんだろうなとぼんやりと感じていました。

そんな時、コンサルティング企業ととあるプロジェクトで一緒になり、彼らにすごく触発されまして。彼らは、業務をよりよくするためのテクニックをすごく大事にしていて、実際に自分が少しモタモタしていると「山下さん、これはこうやってやるとすぐできるよ」と教えてくれたんです。そこで、やっぱり日々の小さな業務でも改善できることはたくさんあるし、その際に活用するシステムの力は大きいと感じました。

それを普段の自らの業務に置き換えて考えた時に、法務も、システムを使って業務効率化をすることが絶対必要なんだと、私の中で繋がったんです。会社の中で法務の一人として取り組んでいくだけでなく、この気づきを世の中に広めていく役割も必要なんだろうなと感じ、「じゃあ私がリーガルテックの領域に入って伝えていこう」という想いで、Hubbleに入社しました。

――ユーザーとして使っていたHubbleというプロダクトの印象と、実際に入社してからの印象はいかがでしたか?

ユーザーの頃から、早川、酒井など「Hubbleというプロダクトの中の人たち」の顔が見えているのが印象的で、プロダクトも会社も身近に感じていました。前職ではさまざまなシステムを使っていましたが、作り手の話が具体的に聞けることは珍しく、新鮮でポジティブな印象でした。

周りで転職の話を聞くと、入社後のギャップに戸惑う人が多いですよね。その観点では、ある程度社員を知っていることで、入社前後でのギャップは本当に殆どなかったです。

そして、入社後の印象は、とにかく人間的に優しい人が多いということ。その象徴が早川で、独特の人間的な力があると思っています。そこに惹かれたメンバーが多いからか、他のメンバーについてもボールを拾ってくれる人が多いんですよ。

例えば、お客さまからシステム上のトラブルが起きたと連絡をいただいたときに、Slackチャンネルに「これ分かる人いますか?」とポストすると、瞬時にエンジニアチームが寄ってきてくれます。時には早川が対応してくれることもあります。

今でこそ、HubbleのPurpose&Valuesに「人間性の好循環」が掲げられましたが、これが明文化される前から、自分のことだけに閉じず、困っている人がいればすぐに助け合うといった空気感がHubbleにはありました。


法務の経験が、ユーザーの“本当の課題”の理解に活きる

――とはいえ、CSは山下さんにとって初めての業務ですよね。大変なことも多かったのではないでしょうか。

入社したての頃は、書籍や記事を読んで、いろいろと試行錯誤してきました。オンボーディングの資料も何度も変更して、模索しながらCSの体制を整えてきました。イベント等で他社のCSの方の話を聞くと、やってきたことは間違っていなかったのかなと感じています。

もっとも、体制もさることながら、結局CSに重要なのは、顧客理解です。そしてこれは、会社全体としても重要な概念です。

CSは、マーケチームと、セールスチーム(インサイド/フィールド)と共に、ビジネスチームの中にありながら、最もHubbleのお客さまとお話しをしています。このため、特にここ1-2年では、会社をあげて「圧倒的顧客理解」に近づくために、お客さまに関する情報を社内のメンバーに還元することを強く意識しています。代表的な施策は2つあります。

まず一つに、1ヶ月に1回、お客さまの活用状況を深掘りして、ほかのビジネスチームに共有する機会を設けています。お客さまごとのHubbleの活用方法や刺さっているポイントという切り口で、メンバーとディスカッションできる貴重な機会です。

二つ目として、customer-focusと題したお客さまに関する情報や考察、仮説をシェアするSlackチャンネルを運用しています。誰でも投稿可能なのですが、CSのメンバーには1週間に1回、このチャンネルに投稿することを促しています。情報の共有はもちろんですが、(投稿する側も読む側も)忙しい中であってもお客さまについて深く考えるきっかけとなるので、こちらも貴重な機会です。

実際にCSメンバーが投稿している画面

――なかでも特にどんなシチュエーションで、法務の経験が活きていますか?

法務の業務について“リアルに”語れる点は強いです。例えば、そもそも法務の方は、朝出社してまず何をするのか、外出はするのか……といった実態の部分。お客さんの"あるある"に共感できるので、業務上の課題の理解も早いです。「そういうめんどくささ、ありましたよね。ちなみに私はこういう風にやっていました」といった話をできるのは、法務出身ならではだと思います。

お客さまから要望が来た際にも、その背景まで深く理解できるのは強みです。プロダクトマネージャーと連携して「次にどんな機能を実装するか」といった優先順位決めにも関わっているのですが、お客さまから「こんな機能がほしい」と言われた時に、その背後にある「本当の課題」を代弁して説明できていると思います。

――プロダクトチームとの連携の話が出ましたが、売り上げを伸ばすためにビジネスチームとしてはお客さんの要望をできるだけ反映したい気持ちがあるのではないしょうか。プロダクトのビジョンとのバランスをどうとっていますか?

基本的にはお客さまから頂いている要望は、Hubbleをより使いこなして業務を効率化したいという想いから来ているので、全部実現してあげたいんです。

ただ、私自身もそうだったのですが、お客さまにはHubbleというプロダクトのシンプルさに惹かれている方も多くいらっしゃいます。シンプルで使いやすい、でもしっかりと業務効率化に貢献できる、こういったありようには、代表をはじめ、私もずっと矜持を持っていて、守りたいと考えています。

その上で、お客さまからの要望を聞き、反映する際に大事にしているのは「お客さまは『なぜ』その機能がほしいのか」。例えば、「ここにチェックボックスを付けてほしい」という要望であれば、背景にある課題はチェックボックスをつけることではなく、数ある契約書の中から特定の契約書を一目で分かるようにしたい、といったことかもしれません。私が直接「なぜその機能がほしいんですか?」と質問することもあります。

すると、隠れていた背景が出てくるんです。それを解決できる機能を、Hubbleというプロダクトに一番よい形で表現していく。もらった要望をそのまま突っ込もうとすると、ハレーションが起きると思いますが、普段からプロダクトマネージャーと密に話して、考え方を共有しているので、こういったプロセスを経ることができています。

実際に、今年リリースした新機能のほぼ全てに対して、私自身が元法務、そしてCSの立場から開発の段階で意見を伝えています。お客さまに新機能リリースの連絡をしたら「あれは神アップデートだったね」と言われたこともあり、そういった反応をいただけると「間違っていなかった」と嬉しくなります。


必死に習得した法務の知識・スキルは無駄にならない

――今後、HubbleのCSチームはどのように展開していくのでしょうか?

Hubbleのお客さまが増えるのに連動して、CSチームも拡大していくことが必要になります。ただ、法務人材の採用活動と同様に、当社のPurpose & Valuesにしっかり共感頂き、それでいて優秀な方を採用するのはそう簡単ではありません。チームの拡大を念頭に置きつつも、様々な業務の効率化を図って、よりお客さまに向き合う時間を増やすことに並行して取り組んでいきます。

――最後に、法務経験者の方に向けてメッセージをお願いします。

法務の方は、今まで膨大な時間を費やして勉強してきた分、他の職種に移ることに抵抗感があるかもしれません。しかし確実に言えるのは、皆さんがやってきた業務はそのまま他の人にとって得難い知識・知恵として活用できます。その一つが、HubbleのCSチームやビジネスチームでのキャリアです。間違いなく即戦力としてやっていけると思います。

さらに、法務の方たちが培ってきたロジカルな思考過程は、CSだけでなく、どの業界、どの職種でも役立ちます。なので、ぜひ自信をもって新しい領域に踏み出してほしいです。


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