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【Purpose & Values Radio vol.2】圧倒的顧客理解を深めるためには?

Hubbleでは不定期に「Purpose & Values Radio」を実施しています。

Purpose & Values Radio とは?
2022年秋、HubbleではPurposeと5つのValueを策定しました。この「Purpose & Values Radio」は、会社が大切にしていることを理解し、それを自身の行動に反映させるためにどのような思いでそれらを策定したのかを伝えることを目的としています。不定期に金曜日の夕方に実施され、作業や夕食の準備をしながらBGMとして楽しんでいるメンバーも多いです。

第1回目では、取締役3人がPurposeをこの言葉にした理由や、どのような思いで策定したのかについて話してもらいました。

第2回目では、「圧倒的顧客理解」というValueの1つに焦点を当て、CEOの早川とCSチームマネージャー兼CCOの山下がそのテーマについて話しました。このnoteでは、その時の内容を書き起こしています。


圧倒的顧客理解を深めるための、4つの要素

早川:「圧倒的顧客理解」と言われても、顧客理解をどう深めればいいか、その最大の状態とは何か、顧客理解がある行動とはどういうものかなど、一人では理解を深めるのが難しいし、これは難しいValueの一つだと思っています。そのValueを体現している山下さんをお招きし、皆さんの顧客理解を高めるヒントにしていただければと思います。 

山下さんは法務のキャリアを持っており、法務時代にHubbleを利用していたため、Hubbleに参加した時点で既に顧客理解が深まっていました。その経験を活かし、ソフトウェア開発やCSの業務も担当していました。

早川:ほとんどのメンバーは法務経験がなく、僕自身もそうでした。顧客理解を深める方法について、これは多くの人が悩んでいることだと思います。ぜひ、山下さんの考えをお聞かせください!

山下:大前提として、僕も法務は1社しか経験していないです。なので、Hubbleに入社した時に何でもかんでも知っていたわけではありません。だから僕自身も実はまだこの顧客理解を深めている段階なんですよね。

早川:普段深めているとき、どんなことを意識していますか?

山下:フレームワークっぽくなって申し訳ないのですが、要素が4つあります。

1つ目は、まずお客様、つまり法務の人たちがいる環境を知ることです。具体的には、どんな企業なのか、例えばメーカーなのかIT企業なのか。次に法務部門についてです。チームに何人いるのか、そもそも法務部があるのかどうか、そういった外部的な環境面を知ることが1つ目です。

2つ目は、そのお客様、特に個々人の心理を知る、心を理解するということです。これは課題のようなものですが、要するに「これ面倒くさいな」と思っているとか、そういう感情を理解することが重要です。

3つ目は多様性を理解することです。先に述べた環境や心理の多様性を知ることが重要だと思っています。これは、面倒くさいと感じることが人によって異なることや、環境の違いなどにも関係しています。たとえば、一人で法務業務をこなしている人が感じることと、大きな法務チームの一員として働いている人が感じることは異なります。だからこそ、その多様性を理解することが大切です。

最後の4つ目は、時間軸で見たときに変化することを理解すること。昔はAIレビューが存在しなかったため、文書のレビューは自分でするのが当たり前でした。しかし、今ではAIレビューが登場し、かつては人が行っていた作業がAIによって実行されるのが普通になりました。このような時間軸での変化を理解することが非常に重要です。

早川:確かに、環境や業界、つまり多様性を理解することは非常に重要ですね。僕も大企業で働いた経験がないので、稟議のシステム自体や法務がどのように関わっているのかを知りませんでした。稟議や押印申請の有無、それらがどのように組み込まれているかによっても、事情は大きく異なりますよね。それだけで見ても、かなりの幅があることがわかります。

山下:ありますね。

早川:あとは法務の多様性もありませんか?例えば、契約書の締結版を法務部ではなく総務部が管理している場合とか。そういった側面を知ることで、法務の人々がより立体的に見えてくるというのは、僕も体感しています。

山下:そうですね。僕がラッキーだったのは前職の法務時代の上長は、大手電子機器メーカーの法務ご出身の方だったり、大手食品メーカーの元人事部長の方で。更にそのワンランク上の方がメガ銀行で経営企画をやっていた方でした。大企業出身の方々がいたので、結構「うちではこうやっていたけれどもね」みたいなことが知れたんですよね。

早川:インプットはありました?

山下:さりげなく得た情報も大きかったですね。「なぜうちでは、大企業が実施していることをやれていないのだろう、やっていないのだろう」と考える機会が自然と生まれたことは、かなり良い機会だったと思います。

早川:ある意味で、200人程度のメーカーから、超大企業のような幅広い規模、200人から1万人程度の企業規模のところを知ることができていますよね。逆に、Hubbleに入社した時は10名いるかいないかの規模でしたが、それはそれで衝撃的だったという体験はありましたか?

山下:これは僕がさらにラッキーだった点で、前職の時に社長の特命プロジェクトでカンボジアで飲食店を経営するという経験をしました。簡単に言えば、フランチャイズの一員としてそのプロジェクトにアサインされたんです。

当然ながら、カンボジアで新しい会社を立ち上げ、人を雇い、オペレーションを回していくわけですが、その時点でワークフローなどは存在しません。ゼロから会社を作り上げるというのは、本当にドタバタとしたものです。その経験から、Hubbleに入った時には、むしろHubbleの方がずっと整っていると感じたほどです(笑)。


法務の"外部環境"を知るのが、圧倒的顧客理解の近道

早川:法務の環境・業界を知るためには、どうしたらいいでしょう。

山下:これはもう法務の「外部」環境を知ることですかね。

早川:外部環境を知るにはどうすればいいでしょう。

山下:Hubbleをご利用いただいているお客様に関する情報は、Salesforceに全てまとめられています。なので、まずはそこを確認するのが一番早く外部環境を知ることができると思います。例えばSlackを使っているか、Teamsを使っているとか。法務部門に何人いるか、どんなワークフローなのかなど。知りたい情報を得るには最も迅速な方法だと思います。

早川:環境を理解する上で、法務部門の人数やインハウスロイヤーの数などはかなり重要な要素だと思うのですが、これらについては、座学で学ぶよりも、社内のデータを直接見たり、関係者に聞いたりする方がより実践的なんでしょうか?

山下:そうだと思います。世の中にあまり出回っている情報ではないと思うので。

早川:そうですよね。僕みたいに法務経験がなかった人間としては、「法務の仕事はこうだ!」という固定概念はあるんですよね。例えばですが、「ほとんどの企業で契約書のダブルチェックはやっている」みたいな。ただ本当に企業によって法務のミッションや仕事の仕方は多様です。仕事の幅や深みを知ることは難しいなと感じています。

ここまでの粒度で知るには、正直商談するしかないなと感じています。

山下:そうですね。そして何か新しいことを知ったら、みんなで共有するべきだと思うんです。今、早川さんの話を聞いて「へえ、そうなんだ」と思った人もいるかもしれないし、自分が経験した商談とは違うと気づいた人もいるかもしれません。だから、情報は絶対に共有した方がいいですよね。

早川:確かに。それに共有したら誰かしら反応してくれますからね。

山下:CSチームには法務経験者が多いとはいえ、みんなバラバラの背景を持っています。例えば、僕は200人ほどの老舗メーカー出身で、上村さんは新興で上場直前の企業、ふみやさんは、老舗だけど大企業のメーカーで働いていました。だから、僕たちだけ見ても、かなりの多様性があるんです。他のチームの人たちとも情報を共有することで、もっと理解が深まるんじゃないかと思います。


お客様と直接話せることの特権

早川:こう考えると、CSはもちろんセールスチームとか、お客様と直接話すことができる人たちのある種特権ですよね。

山下:「面倒くさいですか?」や「これって実際どうなんですか?」といった質問が気軽にできるのがいいですよね。みんながざっくばらんに教えてくれて、「いや、大変ですね」や「僕、いつ昇進できるかわからないです」といったリアルな話を教えてくれます。

早川:お客様と会話する時に、気をつけていることとかってありますか?

山下:「分かっていないなぁ」思われないことが重要ですね。例えば、会社によっては法務部がないというケースも珍しくありません。総務部内に法務課が設けられていたり、法務の役割が特定されていない中で、その業務を兼務している人もいます。そうした状況の方々に対して「御社の法務部では〜」と言ってしまうと、瞬間的に距離を置かれることがあります(笑)。

早川:めちゃくちゃ大事。やっぱり相手の環境を知ることは大切ですね。

山下:そうですね、この点については、実際に僕自身がそのように感じたことがあります。「法務部」と言われると、「いや、うちにはないけど?」と内心で思ってしまいました(笑)。少しひねくれているかもしれませんが、相手が理解していないと感じると、「もういいや」と思ってしまうタイプです。これは僕だけではなく、世の中には一定数存在するはずです。だから、このような状況を避けるためには、やはり注意が必要ですね。

早川:大事ですね〜。次に時間軸はどうでしょう。

山下:テクノロジーの進化は確かに理解しやすい部分なんじゃないかな。時代とともにテクノロジーがどんどん発展していることは、多くの人が感じている大きな変化です。あとは、少し難易度が高いのが法改正の知識ですね。これについては、知っていると凄いなと思います。でも僕も詳しくは知らないです(笑)。

早川:トレンドとかも関係してくるんですかね。

山下:絶対にそうだと思います。リーガルオペレーションズを意識する会社が増えてきているのも、まさに現在のトレンドの一つです。つまり、かつての当たり前が変わってきているということですね。これは時間軸で見た変化と言えるでしょう。

早川:ちなみに、みなさんが信じられるかどうかわかりませんが、僕や酒井さん(取締役 CLO)が営業を始めた 2018 年、2019 年頃は、今と違って「AI レビュー」はほとんど導入されていませんでした。今では大きく変わり、AI レビューはかなり浸透していますよね。

山下:おそらくそうですね。電子契約の普及には、やはりコロナの影響が大きかったと思います。コロナ前に法務をしていた時は、電子契約が広く受け入れられるまでに5年以上かかるだろうと思っていましたが、コロナによってすべてが一変しました。


確認することは、コミュニケーションを円滑にするための大切な一歩

早川:お客様が言う「稟議」とは何か、定義が会社によって異なることは少なくないと思います。「契約業務」と表現する会社もあれば、「契約書業務」と言う場合もありますし、「ステータス管理」や「案件管理」という言葉を使うこともあります。このように言葉の選び方に幅があるため、お客様が何を指しているのかという定義のずれを前提にしながらコミュニケーションを取る必要があります。そうしないと、大きな誤解が生じる可能性がありますね。

山下:そうですね。そしてこれは相手に聞いていいことです。例えば「契約書レビュー」を「検証」や「精査」と表現する方がいる場合、それが「レビューのことですよね?」と確認しても全く問題ありません。このような質問は怖がる必要が全くなく、実際にはコミュニケーションを円滑にするための大切な一歩となります。

早川:踏み込んで質問することは、無知からではなく単に知らないだけ、という感じですよね。ちなみに山下さんが考える「顧客理解のある行動」とはどのようなものだと思いますか?

山下:難しい質問ですね。振り返ってみると、顧客理解がある人は部門に関わらず「仮説が良質」であることが多いように思います。仮説を良質にするためには、まずお客様の変化を理解すること、つまりn=1の状況を把握することが非常に重要です。そして、その理解を共有することが大切です。さらに、謙虚であることも重要だと思います。正直、僕自身も「そんなことを言う人がいるんだ」と感じることが今でもあります。

早川:常にインプットを続け、それを共有することで、仮説もより良質になっていくわけですね。この話がHubbleメンバーの「圧倒的顧客理解」を深めるのに役立っていれば幸いです!


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